四葉胡瓜

 

キュウリの皇帝

 中国北部の伝統野菜である四葉胡瓜は、四川料理などに欠かせない昔から愛されているキュウリです。

 

  四葉胡瓜を使った四川の料理には、肉と炒める「黄瓜肉片」や、刻みニンニクと唐辛子オイルで和えた「蒜泥黄瓜」、蛇腹切りをしたキュウリに鷹の爪やゴマ油などで味付けをした「蓑衣黄瓜」などがあります。

 

 その直径の長さと、芸術的とも言えるトゲトゲした見た目でインパクトが強い四葉胡瓜ですが、実はキュウリの王様と言っても過言ではないほどの美味しさをもつキュウリなのです。

 

 緻密な果肉が口いっぱいに広がり、サクサクと噛めばキュウリの旨味がじんわりと染み出てきます。通常のキュウリよりも水気がありすぎず噛み応えがあり、食べた後の満足感はキュウリの中でも抜群です。

 

細い軸から大きな身体を見せる四葉胡瓜

多くは採れない希少なキュウリ

 直径が長いと先述しましたが、収穫するベストの長さは30㎝~40㎝。ここまでキュウリが栄養を蓄え大きくなるのには、通常のキュウリよりも凡そ3倍の時間がかかり、一株あたり収穫できる量も通常のキュウリと比べて半分以下になります。そのため、一般的な市場には並ばず、なかなか手に入らない品種です。

 ちなみに、四葉胡瓜という名前はこのキュウリが本葉を四枚ほどつけた頃に実がなるためで、実をつけはじめるのはキュウリの中でも早いとされています。



四葉胡瓜を伝えたのは元平戸藩主家老

 四葉胡瓜は中国では一般的で、特に品種として特別視しているわけではありません。四葉系とまとめられており、その歴史は紀元前100年頃まで遡ると言われています。

 

 日本に四葉胡瓜が伝わったのは大正中期、中国山東省から当時併合されていた韓国に伝わったものを日本人が持ち帰ったことにより広まります。元平戸藩主家老で農林省技官として従事した熊沢三郎が選抜育種をして、戦後に認知されるようになりました。その風味の良さからたちまち人気の品種になり、今でも一定の層から支持されているキュウリです。



*しんしゅう屋の四葉胡瓜の旬は、7月~8月。


大きく成長する前の四葉胡瓜
見た目も味もインパクト抜群







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