少量多品目は野菜の楽園

  少量多品目栽培は、野菜にとっても畑にとっても良いことばかりです。その魅力をご紹介いたします。

 

 

■その1 病害虫抑制・農薬不使用


 多くの農家さんは単一栽培といって一種類を一つの畑で栽培します。一面のキャベツ畑やタマネギ畑を見たことはないでしょうか。


単一栽培で育てると、作物の天敵(主に虫・ウイルス・菌)だけが集まりやすい環境になってしまいます。(天敵が畑に現れると一気に増えることが多いです。

 
対して、少量多品目では様々な品目・品種を栽培するので、いろんな虫・ウイルス・菌が一つの畑に集まり、一種類だけが繁殖するということができにくくなります。

農薬は使用していい野菜の品目と、してはならない品目に分かれていますが、使用してはならない品目に使用しますと販売することはできなくなります。ある畝に撒いたとして、隣の畝に影響がないということが確実ではありません。なので少量多品目栽培をしている方の多くは農薬を使用せず、減農薬・無農薬となっています。

 

 

■その2 連作障害の回避


 連作障害とは、何年も繰り返し同じ畑で栽培することにより、育ちが悪くなる障害のことです。

連作障害の原因は基本的に天敵が増えることで起こります。「魅力その1」で記載したように、様々な種類が生存するようになりますので連作障害が起こりにくい環境ができ、回避することができます。

 

 

■その3 畑を最大限活用
 

 性格に寄るところもあると思いますが、単一栽培の場合は通路をしっかり確保しないと作業性が悪くなります。そのため70~100cmほどの通路を設けているところが多いです。そして多くの場合、畝の上に黒や白のビニール(マルチ)を被せ、株間(株と株の距離)を広く取ります。すると畑の面積に対して実際に栽培している面積は1割未満です。 


しかし、少量多品目の場合様々な野菜を育てるので、広く通路を確保したり、株間を過度に広くとったりはしません。単純に計算することはできませんが畑の活用率は5割以上だと思われます。またトマトの後はコマツナ、トウモロコシの後はダイコンのように、リレー方式で栽培をしているので畑の回転速度は早く平均で年2.5作ほどです。つまり、少量多品目は単一栽培に比べて約13倍も畑を活用していることになります。

 

 

■その4 コンパニオンプランツで野菜を支え合う


 コンパニオンプランツとは、違う種類の野菜を隣り合わせて育てることにより、お互いが共栄する植物のことです。

 

 例えば、トウモロコシの間につるありインゲンを植えることによって、トウモロコシがインゲンのつるの支柱となり、インゲンは独自の根粒菌によってトウモロコシの生育を促進させることができます。
他にも虫よけの効果などがあり、植物そのものの力で、農薬を使わない、人に優しく植物に優しい栽培が可能になります。

 

トウモロコシとつるあり成平




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