SDGsへの取り組み
しんしゅう屋は、小さな農業を通して持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
SDGsとは、国連サミットで採択された「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」です。「誰ひとり取り残さない(leave no one behind)」という理念が掲げられており、地球上で暮らす私たち全員が関係しています。
SDGsは17のゴール・169のターゲットから構成されていますが、そのうちの7つのゴールにしんしゅう屋は取り組んでいます。
1.貧困をなくそう「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」
2.飢餓をゼロに「飢餓に終止符を打ち、食料の安全確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」
しんしゅう屋が取り組んでいる「小さな農家」というのは、購入することだけで食料を確保する(スーパーマーケットなどに依存する)のではなく、自分たちで食料を育て、確保していくというものです。
それぞれの地域、気候に適した栽培方法で様々な野菜や果物を育てることにより、持続可能な農業が実現できます。
「地域、気候に適さない植物を育てる」、「一つの品目を大量に育てる」となると、ビニールハウスや暖房を使用する方法が多くとられます。育ち方も良くないため、農薬や化学肥料も使用されます。
それぞれ、温室、成長を狙ったものですが、環境負荷、人体への影響が問題視されています。また、そのような施設、資材は全ての農家が所有できるわけではありません。
現在日本では、大規模に展開している農家から、スーパーマーケット等を通して人の食が支えられています。一つの品目を大量に育てる農家がいなければ成り立たないことです。しかし、一つの品目だけを育てているがために、環境に負担をかけていることにはあまり目が向きません。海外では、需要のある品目ばかりを育てなければ金銭が確保できないために、森林を伐採する農家が絶えないという話があります。
こういった問題は、一人一人が「小さな農家」、小規模栽培を行うことで解決に向かうと考えます。そこまで広い土地でなくても、プランターでも、少しずつ野菜や果物を育てることで一定の食料が確保でき、緑を増やすことができるでしょう。農薬や化成肥料を使わなければ、体に優しく、自然な栄養も確保できます。小さな農家が、足りない食材をスーパーマーケット等で補っていけば、一つの品目だけを育てていた大規模農家も、環境負荷を減らして持続可能な農業へと変化していけると考えます。
○しんしゅう屋は「小さな農家」として、栽培知識や自然環境に関する記事を書いております。興味がありましたら、そちらもご覧ください。
3.すべての人に健康と福祉を「あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」
「健康と福祉」というと、農家に関係ないという印象がある方もいるかもしれません。ところが、人の健康は食事と密接に関わっており、食材を提供する農家の役割はとても大きいものなのです。
様々な病、虫歯、糖尿病、肥満、高血圧はもとより、鬱病、癌、アレルギー症状、認知症さえも食事(特に野菜や果物)が原因のものが多いとされています。それぞれの病気を調べると、食事との関係性が言及されています。
4.安全な水とトイレを世界中に「すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」
信じられないことかもしれませんが、現代における多くの貧困層は野菜や果物よりもパンやお菓子を口にしており、エネルギー、糖質、脂質が過剰で、タンパク質、ビタミンが不足した食生活を送っています。また、精製された砂糖が多く出回っており、ゆっくりと吸収される(GI値が低い)甜菜糖やサトウキビはほとんど普及していません。
つまるところ、野菜や果物というのは人の健康に欠かせないものなのですが、それが十分に行き届いていないのです。さらに、もしその野菜が遺伝子組み換えのものや、農薬や化成肥料を使っているものだとしたら、病気の心配やリスクをさらに上げてしまいます。
しんしゅう屋は、遺伝子組み換えではない様々な品種を、農薬や化成肥料を使わずに育てています。また、すべての人の食生活を充実させるためにも、野菜や果物の大切さ、美味しさ、品種を選ぶ楽しさを伝えていきます。
5.海の豊かさを守ろう「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」
水質汚染の原因の一つに農業があります。近年、赤潮の影響でいつもは獲れていたはずの魚が減り、漁獲量に大きく影響しているというニュースをよく聞くようになりました。これは、畑から流れ出た化成肥料が海にまで辿り着き、生態系に影響を与えていることが原因です。
また、田んぼに使用される農薬の影響で、川魚やトンボなどの生き物も減少しています。
安全な水に恵まれているとされる日本でも、海や川に目を向ければ一概にそうとは言えない状況なのです。
このことを踏まえても、農薬、化成肥料は使うべきではないと考えています。海に辿り着いても影響の少ないもの(カキ殻石灰、腐葉土など)を堆肥として使用し、持続可能な安全な水を維持していきます。
6.つくる責任つかう責任「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」
しんしゅう屋では、できる限り自然分解性のものを使用して、野菜をお届けする取り組みをしています。
栽培期間中は、ビニールマルチではなく稲わらマルチを、ビニール紐ではなく麻ひもを使って植物が育つサポートをしています。プラスチック製品を極力使わないことで、マイクロプラスチックの心配を減らし、ゴミとして焼却される環境負荷を減らします。
梱包材も最小限に抑え、プラスチック袋の使用量を減らしています。伝票等も電子化することで、紙の使用量を抑えています。
7.陸の豊かさも守ろう「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」
例えば、土を耕さず、過剰な除草をしないこと。これは、土に居る微生物やモグラ、ネズミなどを殺さず、住処を奪わないことに繋がります。微生物は分解者であり、植物に栄養を供給してくれる大切な存在です。モグラやネズミも分解者ですが、害虫を食べたり、私たちの代わりに土を耕してくれたりします。野菜を食べることもありますが、腐ったり痛んだりしたものを少しだけかじるだけで、何も悪い影響はありません。周りに自然が多いおかげで捕食者であるタカなどの猛禽類もおり、ネズミやモグラが増えすぎることもありません。生物多様性が畑を支えてくれていると感じています。
余計なことをするのはもってのほかだと思います。農薬や除草剤、化成肥料を使うのは、自然を破壊し、最悪のケースでは砂漠にまでなってしまいます。そうでなくても、土の中の微生物ならびに周りの動植物が偏り、今まで生きていた生物が絶滅の危機に瀕してしまいます。
私たちが暮らす地球のこと。土や空を見て暮らしているからこそ、考えさせられることが多々あります。「小さな農家」として、できる限りのことを取り組んでいきたいです。
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